『マフィア Ⅲ』をプレイしよう
※注意※
今回の記事には若干量ではございますがグロテスクな描写(血、暴力等)が含まれる画像、文章がございます。
苦手な方はご注意ください。
こんにちは。
春休みなのでバーボンをガブ飲みしてる来週さんです。
バーボンというのは、ウィスキーの一種で、アメリカ・ケンタッキー州を中心に生産されるものを言います。
特徴としては、原材料に大麦・小麦の他にトウモロコシが含まれていたり、製造過程で内側を焼いた木樽に詰めて熟成させることなどがあります。
本日はそんなバーボンを飲みながらプレイしたくなるようなゲームを紹介しようと思います。
■マフィア Ⅲ
<マフィアシリーズ>6年ぶりの新作で、昨年10月末に発売されました。
タイトルの通りアメリカのマフィアを題材にした物語で、アメリカ南部の架空の街を舞台にしたオープンワールドアクションゲームです。
僕はシリーズの熱心なファンというわけではないのですが、発売前にニュースサイトで存在を知り、購入しました。
発売から少し時間が経ってしまいもはや今が旬とは言えないかもしれないですが、当ブログではそんな時期を過ぎたゲームを改めて紹介してみようかなと思います。
それでは以下に『マフィア Ⅲ』の詳細を見ていきましょう。
ちなみに以下のスクリーンショットはPS4のPS4share機能を用いて私が撮影したものなので720pですが、実機では1080pです。
※めっちゃ長いので手っ取り早く中身が知りたいなら最後の『まとめ』だけ読んでくださったら結構です。
■悲しくも熱い、王道の"復讐劇"
それではまずあらすじから。
主人公リンカーン・クレイ(パッケージでショットガン抱えてる黒人の青年)は、アフリカ系の母親とイタリア系の父親をもつ混血で、孤児としてストリートで育ち、そしてサミーという男に拾われ、彼の黒人組織を家族として生きてきました。
しかしリンカーンがベトナム戦争から帰還して間もないある日、イタリアンマフィアの裏切りに遭いサミーたちファミリーは皆殺しにされてしまいます。
幸か不幸か生き延びたリンカーンは、"家族"を殺したイタリアンマフィアに復讐を誓い、そしてそのために自らの手でファミリーの再建を決意するのでした。
物語は、当時の状況をリンカーンの関係者や事件捜査官に対するインタビューを含むドキュメンタリー番組のような形式で進行していく
■1968年、ニューボルドー
●激動の時代
さて設定されている時代は1968年です。
1年単位で指定されていますが、この1968年はアメリカにとって大きな意味をもつ1年でした。
リンカーン大統領の奴隷解放宣言(1860年代)から100年という節目に公民権運動が活発化する中、1月のテト攻勢に始まり、マルティン・ルーサー・キングやロバート・ケネディ(J・F・ケネディの弟)の暗殺、大規模な反戦デモ……。
そして舞台となるのが、ルイジアナ州南部の都市ニューオリンズをモデルにした架空の街、ニューボルドー。
60年代と言えば外せないのがマッスルカーだ。クエスト案内等のUIはシンプルかつコンパクトで景観を損なわない。ラジオからは60年代当時の100を超える素晴らしい楽曲たちが流れ出す
ルイジアナ州と言えば、南北戦争において南部州として戦った州でもあります。
南北戦争における"南部"とは、奴隷解放を訴える"北部"に反対して合衆国を離脱した州です。
南北戦争は北部州の勝利に結末を迎え、合衆国から奴隷制度は完全に廃止させられましたが、南部ではその後も人種差別を正当化する法律が可決され、黒人に対する差別意識は根強く残りました(そんな差別に対し立ち向かったのが前述のキング牧師を始めとする人々でした)。
『マフィア Ⅲ』におけるニューボルドーの街でもときおり黒人(やアジア人、あるいは白人以外の人々)に対する差別がみられます。
黒人の血を引く主人公リンカーンに対しても、差別の目は向けられます。
画像のセリフのようなことを言う人、街を歩いているだけで罵ってくる人、黒人立ち入り禁止の店など……全ての人々がそうではないが、ニューボルドーの街にも黒人に対する差別が根強く残る
●美しいロケーションの数々
ニューボルドー(あるいは現実のニューオリンズ)は、ルイジアナ州最大の都市であり、またミシシッピ川やその支流に面しているため、南部には湿地帯が広がっています。
加えて、植民地時代はフランスによって支配(のちにスペイン領)されていたため、フランスの文化や町並みが残されていたり、かつてアフリカから連れてこられた人々の文化や、ラテンアメリカからの移民などの文化などが様々に流入・融合しています。
『マフィア Ⅲ』においても、一ゲームのフィールドでありながらバラエティ豊かな町並みや自然を楽しむことができます。
車に乗り込み、ラジオをかけながら街中をテキトーに走らせるだけでも楽しくなってきます。
バラエティ豊かなニューボルドーの街の中からいくつかロケーションを紹介しよう。一つ目は高層ビルが立ち並ぶ街の中心地『ダウンタウン』。ラウンドアバウトには公園が整備されていたり都市機能が充実している
そしてこちらは打って変わってミシシッピ川支流に面する湿地帯『バイユーファントム』。ご覧の通り人の住める場所ではないので、湿地の奥でひっそりと裏稼業が行われたりしている。うっかり水中に足を滑らせるとワニの餌食だ
前述のフランス文化・町並みが残る『フランス街』。パレードが開催されたりする繁華街であるが、路地裏を進むとマフィアのシノギ・売春宿が軒を連ねる。以上3つのロケーションの他にも密輸品の流入口である港や金持ち白人が住む高級住宅街などがある
■街のはみ出しモノたち
次に、一癖も二癖もある登場人物たちを紹介しようと思います。
激動の時代の裏社会を生きる連中はどいつもこいつも一筋縄ではいかないようなヤツらです。
●宿敵『マルカーノ・ファミリー』
まずは主人公リンカーンの心に暗い復讐心の火を灯らせた張本人であり、ニューボルドーを支配するイタリアンマフィアの頂点に君臨する男、サル・マルカーノ。
サミーの黒人組織に自身の計画の一端を手伝わせ、用事が済んだら容赦なく皆殺しを命じ儲けを総取りするような冷酷非道な男。
もはや白髪のジジイですが、裏社会のボスらしく莫大な富と権力と兵力があり、ただ彼の屋敷に銃を持って突撃しても復讐を果たすことはできないでしょう。
ただ最近は息が詰まるようなマフィア社会に疲れ切って、そろそろ足を洗おうと考えているとか。
彼の瞳の奥にはいつもドス黒い悪人の心が映る
そしてボスの息子、ジョルジ・マルカーノ。
極悪人の父親とは真逆のように見える、お調子モノのボンボン。
裏切りや反逆に満ちた裏社会を渡ってきた父親の苦労を知らずになんの不自由もなく育ってきたかのようなヘラヘラした男です。
しかし彼もマルカーノファミリーの一員には違いなく、強力なサル・マルカーノの軍勢に守られています。
しかし己の立場を自覚しないジョルジの行動が、最近の父親の悩みの種なんだとか。
親父に似てますよね。特に鼻とか。
かつてはリンカーンとも交流があり、仕事も共にこなすような仲であったが、ジョルジはリンカーンに対し躊躇いなく引き金を引いた
マルカーノファミリーには他にもサルの親族や優秀な手下がひしめいています。
果たしてファミリーを失ったリンカーンは、この強大な敵に立ち向かっていけるのでしょうか。
●心強い協力者たち
ニューボルドーの一大勢力に立ち向かうには、いくら屈強なベトナム帰還兵リンカーン・クレイであっても、一人では太刀打ちできません。
・ジョン・ドノヴァン
ジョン・ドノヴァンは、ベトナム戦争における極秘任務に従事していたCIAのエージェント。
ベトナムで特殊部隊に配属されたリンカーンとは作戦行動を共にした戦友であり、友人です。
リンカーンの復讐に、CIAらしい諜報活動で手を貸してくれます。
以下の3人の協力者を候補として挙げてくれたのもドノヴァン。
一見CIA職員と地方都市でのマフィアの抗争は無関係に見えますが、彼には思うところがあったようです。
ドノヴァンにとって盗聴くらいはお手のモノ。寂れたモーテルの一室を諜報活動の拠点に改造し、情報を掴むとリンカーンに知らせてくれる
カサンドラはハイチアン・マフィアの影のリーダーであり謎多き人物で、"カサンドラ"という名前すら本名かどうか誰も知りません。
元々カサンドラのグループは黒人街の治め方をめぐってサミーの黒人組織と対立していました。
しかしカサンドラは家族をマルカーノの手下に殺されたことを憎んでおり、サミー亡き後にマルカーノの手下に奪われた黒人街を取り返すことを条件に、リンカーンに協力してくれることになりました。
サミーの黒人組織と対立していたとき、リンカーンはカサンドラの手下たちを何人も殺している。そのため彼女の協力と信用を得るためには、それなりの働きをしなければならない
またカサンドラを協力者として迎え入れることで、彼女の部下である武器商人から武器を買えるようになります。
カサンドラの信用を得ていけば、他にも電話線を遮断し、敵の増援を呼べなくするといった"サービス"も受けられるようになっていきます。
ピストル、サブマシンガン、ショットガン……ゲームを進行させると購入できる武器が増えていく。他にも火炎瓶や手榴弾のような爆薬や回復アイテムも買える。武器商人は無線で呼び出すことができ、街のどこにいてもすぐに駆けつけてくれる
・ヴィト・スカレッタ
ヴィト・スカレッタは昔気質のマフィアで、北部のマフィア連合『コミッション』からマルカーノファミリーに幹部として送り込まれた男でした。
しかし『コミッション』から監視されることを嫌ったマルカーノに煙たがられ、シノギを奪われるなどの金銭的締め付けにより裏社会的立場を失います。
もう殺されるのを待つだけ、という状態まで追い込まれたところをリンカーンに救われ、マルカーノファミリーに対する復讐に協力してくれます。
ちなみに、彼は前作『マフィア Ⅱ』の主人公でもあります。
実力のある古株なのでマルカーノからの揺さぶりに対抗していられたが、ついには金が底をつき、あと一歩で殺されるところだったが、間一髪リンカーンによって救い出された
ヴィトを仲間に引き入れることで、彼の手下に自分の所持金を預けられるようになります。
このゲームは死亡すると所持金を半分にされてしまうので、地味ながら有難い"サービス"ですよね。
他にも、敵の拠点にヴィトの手下を送り込める『襲撃部隊』などの"サービス"が受けられるようになります。
無線一本で街のどこにでも金を預かりに来てくれる。これでわざわざ自分の足で金庫に金を入れに行かなくて済む
・トーマス・バーク
トーマス・バークはアイルランド移民で、表向きには車の修理・改造会社をやっていますが、裏稼業として密造酒の製造をするアイリッシュ・マフィアのリーダー。
しかし、マルカーノファミリーに息子を殺されシノギも奪われ、安酒場で呑んだくれるただの汚いオッサンと化してしまいました。
その恨みがあるので、シノギを取り戻すことを条件に彼はリンカーンへの協力を約束してくれます。
ジャケットの下にいつもド派手な柄のシャツを着込んだこの酔っ払いは、大胆不敵なクレイジーオヤジだ。アイルランド訛りの発音とろれつの回らない喋り方を聞いていると、画面の向こうから酒臭い息が漂ってきそうだ
表の仕事が車屋なだけあって、バークを仲間にすると車を届けてくれる"サービス"を受けられるようになります。
広いニューボルドーを行き来するのに車は必需品ですからすごく助かります。毎回そのへんから盗むわけにもいかないので。
他にも、街中で派手なことをやらかしてもしょっぴかれないように一定時間警察を黙らせてくれる"サービス"なんかもあります。
いくつかの車種が用意されており、無線一本でやはり街のどこにでも届けてくれる。お気に入りの車でニューボルドーをブッ飛ばせ
CIAのエージェントと3人の厄介者。
役者が揃ったところでリンカーンの復讐劇はいよいよスタートです。
たとえ仲間を揃えてもサル・マルカーノは簡単に倒せる相手ではない。仲間の力とベトナムで培った策略、そして腕っ節で組織を下から少しずつ切り崩していくのだ。
■ボリューム充分のゲームプレイ
長々と歴史や地理の話と人物紹介をしてきましたが、ここからは実際のゲームプレイについて紹介したいと思います。
●アクションパート
マルカーノファミリーを倒すためにリンカーンたちが採った作戦は、彼らのシノギに攻撃をしかけて混乱させ、事態の収拾を図るために出てきた各ビジネスの元締めたちを殺す(あるいは寝返らせる)ことで、マルカーノファミリーを少しずつ崩壊させるというものです。
例えば、自動車窃盗ビジネスに攻撃を仕掛ける場合、盗品の自動車が格納されている倉庫を襲撃し、自動車をブッ壊して仕事を台無しにする、という感じです。
そういった襲撃を繰り返していくと、そのビジネスの元締めが、部下を叱咤するために出てきたり、ブルって手下を集めて引きこもったりするので、今度はそこを狙って元締めをブチのめし、ビジネスごと乗っ取る、という作戦です。
そうやってマルカーノの部下を倒しビジネスを乗っ取っていき、最終的にマルカーノを丸裸まで追いやって倒す、というわけです。
文字すると簡単に見えますが、当然連中も丸腰というわけではないので、ヤツらのビジネス拠点を攻撃するには、しっかりとした準備と、倒されないための作戦が必要です。
優秀な武器と、豊富な弾薬、そして戦闘に自信があるのなら、真正面から敵の懐に飛び込んでもいい。連中を蜂の巣にしてやろう。ただし、街中で暴れすぎると一般人に目撃され、警察がやってくるので注意が必要だ
時間がかかるかも知れないが、物陰からひっそりと近づき、全てを静かに終わらせるのも手だ。貴重な弾薬や回復アイテムを消費せずに済む。『情報ビュー』を使えば付近にいる敵が画面上にハイライトされる
街のいたるところにある電話線の配電盤に装置を取り付ければ、盗聴ネットワークの完成だ。これで付近一帯の敵の位置がマップに表示される。ただし盗聴装置を取り付けるためには、材料となる『ヒューズ』を集めてこなければならない
銃撃戦でドンパチやるか、音もなくこっそり近づくステルスアクションの2パターンの攻略法が用意されています。
しかし、メインストーリーに関わるミッションは、この『襲撃→元締めをおびき出す→乗っ取り』の繰り返しでしかなく、レベルデザインも敵の配置を増やしたりダメージを多くするだけといったものなので、飽きっぽい人には不向きかも知れません。
ただメインストーリーだけでも30時間以上はかかるので、ボリュームとしては充分かと思います。
●手に汗握るカーアクション
移動手段としてはもちろんのこと、時には逃げる仇敵を追いかけたり、警察から逃れるときにも必要不可欠な自動車。
僕は車には詳しくないですが、60年代っぽいデザインの自動車がたくさん登場し、当時の雰囲気をたっぷり味わえます。
車に乗り込み、ラジオをかけると、60年代当時の実際の音楽が流れます。
ステッペンウルフの『ワイルドでいこう!』、ローリング・ストーンズの『黒くぬれ!』や『悪魔を哀れむ歌』、ビーチ・ボーイズの『素敵じゃないか』、エルヴィス・プレスリーの『おしゃべりはやめて』、ボビー・フラー・フォー版『アイ・フォウト・ザ・ロウ』など、往年の名曲や誰もが一度は耳にしたことがあるアノ曲がドライブを彩ってくれます。
このゲームについて「ファスト・トラベル機能がなく不便」という指摘があるが、私はそうは思わない。ラジオをかけながらの移動は楽しい。明るさの設定を落としてドライブするとかなり雰囲気が出る。難点は画面上部に表示されているルームミラーには光源が写らず後続車に追突されがちなことだろうか
自動車の挙動は、ギアチェンジなどは再現されてはいませんがリアル指向で、急ブレーキを踏むとタイヤがロックして滑るし、下り坂で急ハンドルを切ると横転しそうになります。
また、路面の状態によっても挙動が変わり、雨天時や路面が濡れていたり舗装されていないと滑りやすくなります。
目的地へ急ぐときや警察に追われているような差し迫った状況でも危険運転は命取り。
焦らず冷静なハンドルさばきを心がけましょう。
また、アップデートによりレースモードが追加されました。
勝利することでお金などがもらえるので、ミッションの合間の息抜きに腕を磨くのもアリですね。
一部の車はエンジンやタイヤを換装したり途装・ペイントを変更できる。お気に入りの車に自分だけの改造を施し、ニューボルドーを駆け抜けよう。ただし、残念なことに改造可能な車は無線で呼び出せるものだけだ
●プレイヤーの選択により街の未来が変わる
さて激しい戦闘とカーアクションによってマルカーノファミリーのシノギを奪いとったら、今度はそのシノギをカサンドラ・ヴィト・バークのうち誰に任せるか、プレイヤー自身で決めなければなりません。
シノギを任せると、その協力者からの稼ぎが増え、得られる上納金が増えますし、任せた相手によって得られるボーナスが変わります。
例えばカサンドラに任せると、プレイヤーの最大弾薬携行数が増加したり、ヴィトに任せると最大体力が増加、バークに任せると爆薬の最大携行数増加、など。
満遍なく恩恵を得たいなら、奪ったビジネスを3人に均等に分配してもいいでしょうし、誰かからの稼ぎやボーナスを最大にしたいなら、1人に入れ込んでもいいかもしれません。
しかし、彼らは3人とも街のはみ出しモノ。協力させておきながら見返りナシで黙っているような連中ではありません。
冷遇を続けていると関係が悪化するかもしれません。
制圧したシノギを3人のうち誰かに任せると、そいつの部下たちが現場を抑えに来る。誰に任せたかによって配置される人材が異なるので、街の雰囲気は大きくかわるだろう
ある区画のシノギを潰し終えたら、今度はその区画を誰にくれてやるかを決めなければならない。誰を選んだかによって得られる武器・ボーナスなどが変わるので慎重に選ぼう
任されなかったメンバーとは関係が悪化する可能性もある。画像のように悪態をつかれるだけならいいが、寝首を掻かれたくないなら次回は納得してもらえるよう取り計らうべきなのかもしれない。結託してマルカーノを打倒するか、仲間内で啀み合いになって終わるのか。ニューボルドーの明日はプレイヤーの双肩にかかってるいる
●その他の要素
メインストーリー以外にも、3人の協力者からの上納金を増やすためのサイドミッションや、前述のレース、60年代を象徴する"収集物"などのやり込み要素があります。
"収集物"とは、レコードのジャケット絵や、自動車に関する雑誌、アメリカを代表する男性向け雑誌『プレイボーイ』など。
ストーリーミッションに疲れたときにはサイドミッションで小遣いを稼いだりレースに興じたりドライブしながらマップに点在する雑誌を拾ったり。
これらの要素によりゲーム自体のボリュームがさらにアップしています。
画像はプレイボーイ誌のインタビュー記事。なんとあのビートルズのインタビューが掲載当時のままゲーム内に収録されている。さすがに広告は架空のものに挿げ替えられているが、ピンナップなども収録されている。気になった方はぜひ自分の目で確かめてほしい
■まとめ
さて長々と語ってきましたがここで『結局どこがいいの?/悪いの?』というまとめに入りたいと思います。
いくつか上記で語りきれていなかった新出事項も混ざってますが。
●良い点
・ニューオリンズをモデルにしたエキゾチックな舞台
・60年代という時代設定と、当時の混沌を直視し取り入れたという英断
・魅力的な仲間と悪役と、ムービーシーンにおける彼らの表情の豊かさ
・引き込まれるシナリオ
・メインストーリー30時間超のボリューム
・正面突破か隠密行動か選択できる戦闘デザイン
・時代に浸れる街並み・車・収集物
●悪い点
・同じことの反復でしかないミッション
・数を増やすだけなどのレベルデザイン
・NPCの挙動
・基本一本道ストーリーのため訪れることのないロケーションがいくつも存在する
・一周のプレイでトロフィーをコンプリートできない仕様になっているがセーブデータを分けることができない
・パッチで修正されつつあるが未だに残っているバグ
●終わりに
復讐を誓い、マルカーノファミリーと戦っていくことを誓う主人公リンカーン・クレイ。
彼は彼の敵だけではなく、ニューボルドー社会に根付く差別意識にも立ち向かわなけばならなかったことは冒頭で述べました。
そんな彼の名前が黒人奴隷解放を訴え勝利したリンカーン大統領と同じであることが偶然ではないだろうということは想像に難くありません。
そして苗字の方"クレイ"は、多分ですけど昨年亡くなられたアメリカのプロボクサーだったモハメド・アリのイスラム教改宗前のカシアス・クレイという名前から取られたのではないかと思います。
彼は60年代の中でもアメリカ国民が最もベトナム戦争を支持していた時期に、反戦的発言をし、世間から非難されます。
彼は反戦発言の後、兵役拒否により有罪判決を受け投獄され、プロボクサーとしての輝かしいキャリアも失います(のちに逆転無罪、ボクサー復帰)。
しかしそれでも彼は反戦の意思を発信し続け、彼の孤独な戦いを見続けた世論も反戦へと傾き始めます。
いかがだったでしょうか。
前回に続いてあまりにも長い記事になっていまいましたが……。
この記事が購入を悩んでいた方の背中を押せたり、存在を知らなかった人たちの知るきっかけになっていたら私は嬉しいです。
みなさまも良きゲームライフを。
では。